父は「人皆仏(ひとみなほとけ)」とよく云って居りました。仏教で云う「清浄法身」と云う事です。清浄法身とは「生きた仏」と云う事です。そして「どうすればこの身は清らかになりますか」と云う事です。それは「切(せつ)に生きる事だ」と仏さまは申されているのです。「切(せつ」」とは切実の切であり、大切の切の事です。今のこの一瞬一瞬を大切に生きる事この事が大切な事なんだ仏さまは申されているのです。今思い返してみると父も日々そんな事を云ってくれていた様に思います。父が作った俳句に「人 それぞれ みんな仏の 旅すがた」と云う句があります。人はそれぞれ皆違うけれど、仏さまは「清浄法身」と云う言葉を通して日々私たちを見守り導いて下さって居るのだと思います。
弘尚 合掌 (おわり)