【平成二十四年七月発行の慈愛より】
仏教発祥の地インドでは右手は清浄な手、左手は不浄な手と考えられています。それは悟りの世界と迷いの世界が一体不二のものであることを示しているのです。人間の心の中には良い心と悪い心が一緒に存在していると云う事です。だからお不動さまは右手に剣を持ち左手に羂策(けんさく)と云う綱を持って厳しく私たちを導いて下さいます。お地蔵さまは右手に杖を持ち左手に宝珠を持って私たちに寄り添い共に歩み優しく導いて下さるのです。観音様は千もの手を持ちその多くの手で世の中の全ての人々に何時も手を差し伸べて下さって居るのです。ついついその事に気付かず過ごしてしまって居る私たちですが感謝の心を忘れず毎日を過ごす事もとても大切な事なのだと思います。
弘尚 合掌 (おわり)