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【平成十五年十二月発行の慈愛より】

その土地その土地での御縁を一杯頂きました。愛媛でのお参りの時もとても印象に残った事がありました。この話は遍路中に宿についてから妻と子供たちに聞いた事です。遍路の道中何時もの様にお寺にて水子等の御回向そして皆様の御祈願をと、般若心経のお勤めと共にお祈りさせて頂いてその後私は少しイスに腰をおろして休憩して居りました。子供たちはその間もあっちのお堂こっちのお堂とお賽銭を持ってぐるぐると歩いて居ました。そんな時、お寺の御住職様が子供たちに話しかけて下さったそうなのです。「とこから来たのや」「そうか、歩いとんのか」「ガンバレよ」そして子供たちにこんな話をして下さったそうなのです。「暑いなぁ、と思とる時涼しい風が吹いて来ると気持ちええやろ」「その風が仏様なんやで」夕食を頂きながら家族皆でそんな話をして居りました。その言葉が私にはとても分かりやすくて頭から離れませんでした。難しい事を沢山並べるより素直に心に響いたのです。  弘尚  合掌  (つづく)