「一水四見(いっすいしけん)」と読みます。仏さまの考え方にはこんな言葉があるのです。一つの水を見てもその見え方は人それぞれであると云う事です。「同じ水を見ても地獄に落ちた餓鬼には火炎と見える・天人には宝と見える・人は喉を潤す水と見て・魚には住家と見える」それどれの立場や状況が異なると見方や感じ方も変わると云う事です。不思議なものですね。心の在り方によって人は、腹を立てたり人を恨んだり又穏やかでいられたりするのですね。仏さまは今の私たちにどうしたら物事を正しく見つめられるかそんな心の持ちようをそっと教えて下さって居るのかも知れませんね。私たちが普段口のしている水は人にとっては命の水です。食べ物や草木は水無くしては得られなものです。

弘尚 合掌  つづく