CIMG0654【平成十五年十二月発行の慈愛より】

そして着物も次第に厚手のものになって行きます。自然と体の動きも少し強張ってきます。思わぬところでつまづいて転んだりしない様にお気を付け下さい。同じ様に吹く風も夏は有り難く思い身も心も清々しくなるのに、冬の風は身も心もちじこまります。しかしそれに負けてはいけません。冬の寒さも身にこたえますが夏の暑さも身にこたえます。この冬と夏の間に【春の芽生え】があり、夏と冬の間に【実りの秋】があると云う事はなんと素晴らしいことでありましょう。人間のみが寒さに耐える身にまとう着物を持ち、健やかな眠りの為の家を持ち、あらゆる食材を煮炊きして食べるのです。  弘長 合掌 (つづく)