【令和三年七月発行の慈愛より】

美山では六月になると蛍も少し舞い始めます。花を供え始めると鹿もやって来ます。供えた花をパクリと食べるのです。大自然はコロナ渦の私たちとは全く関係が無いようであります。そんなある日、一頭の子鹿を見かけました。お堂の軒下にしゃがんで休んで居る様です。「母鹿とはぐれたのかなぁ」と心配もしましたがその姿は可愛らしいものです。気になりましたので朝のお参りの時にはお堂の軒下を見ていりました。結局二日ほど境内の軒下に居りましたがその後は母鹿と山に帰って行った様であります。そんな子鹿の姿を見てしまうと「少しくらいなら花をパクリと食べても、まぁいいか」と思ってしまうのです。

弘尚 合掌 (つづく)