【平成六年十二月発行の慈愛より】
そして、「四キロ」「三キロ」「二キロ」「一キロ」あと五百メートル道の両側は人の垣である。ランナー一人一人に声援が飛ぶ。すでに日は落ちて暗い、それでも道の両側の人垣と拍手と声援がつづく、「走れる」足が軽くなった。スピードも出てくる。あと百メートル、全力で走る。さわやかな夜風を受けてゴールに向かう。両手をあげてゴールテープを切る。すぐテープが張られる、私の後ろの人も同じだ。大きく手をあげてテープを切った。次の人も次の人も、完走メダルを首にかけてもらって、次から次からゴールしてくる仲間に拍手を送った。『私のゴールは制限時間七分二十三秒前のきわどいところでした』以上が私の『百キロマラソ体験記』であります。すべての人に感謝であります。「ありがとう」「ありがとう」そう心の中で何度も何度もつぶやきました。 弘長 合掌 (おわり)