CIMG0590【平成六年十二月発行の慈愛より】

ガンバらねば、前を見る後ろにも人がつながっている。「ほとんど一列だ」「ようし苦しくなってからがマラソンだ」「走るのは苦しいのが当たり前だ」負けるなと自分に言い聞かせる。「前を走っているランナーにピッタリとくっついてゆく事」と自分に言い聞かせる。とは云いながら次第次第に差が開く、後のランナーが横に並び私の前に出る。そして又一人又一人と私を追い越してゆく。そしてバスが通りすぎる。最初の関門でタイムオーバーになったランナーが乗っている。「あのバスには乗りたくない」と又気を取り直す。走っているのだが速度が落ちてゆく。「がんばれ」「がんばれ」の地元の人たちの声援に、ゆがんだ顔で「ありがとう」と答えながら唯一心に足を動かす。      弘長  合掌  (つづく)