この世に生まれて、どの様な生涯を過ごすにしろそれはすべて【みほとけ】の御修行の旅と心得、不足もあり不満もあってもそれは己の修業だと考えて今日と云う日がある事を、有り難い事だと思う様心がけている次第であります。弘法大師の御作と申されております【いろは歌】に、「色は匂えど散りぬるを わが世誰ぞ常ならん 有為の奥山けふこえて 浅き夢みし酔ひもせず」と云う文句があります。花は色好く咲き乱れても一夜の風に散り去り幸せに生きていても、健康に暮らしていてもそれは長くつづくものではない。悲しく苦しい事の続く人生を乗り越えて行く様はお酒に酔って浅い眠りの中でまるで夢を見ている様なものであります。(つづく) 弘長 合掌
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